古今和歌集とは?仮名序や作者・紀貫之、現代語訳の内容などを解説!

古今和歌集とは平安時代前記に編纂された日本で初めての勅撰和歌集です。

全20巻からなり「万葉集」以降の約1100首が収められ、また序文には紀淑望が漢字で書いた真名序と紀貫之が平仮名で書いた仮名序の2つがあります。

古今和歌集とはどのような作品であったのでしょうか。現代語訳をいれて解説していきます。

古今和歌集とは

古今和歌集は平安時代前期に後醍醐天皇が紀友則、紀貫之、凡河内躬恒、壬生忠岑の4人に編纂を命じ延喜5年(905)から延喜12年(912)頃までに制作された勅撰和歌集です。

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勅撰和歌集とは天皇の勅令によって編纂された歌集のことを指します。

日本最古の和歌集として「万葉集」があげられていますが、天皇の勅令によって編纂されたのかは不明のため「古今和歌集」が日本ではじめての勅撰和歌集となりました。

全20巻からなり「万葉集」以降の約1100首の歌が収められ、その4割ほどが、読み人知らずの歌、2割以上が紀友則、紀貫之、凡河内躬恒、壬生忠岑の選者4人の歌が収録されています。

その他にも女流歌人の小野小町、平城天皇の孫・在原業平、遍昭の子・素性の和歌が収められました。

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構成

全20巻の「古今和歌集」は日本の自然について、賀歌、送別の歌を歌った離歌、旅中の歌、物の名称を隠し題として詠み込んだ歌を集めた物名、恋愛の歌を集めた恋歌、人の死を哀しんだ哀歌、老齢や無常を嘆いた歌、滑稽諧謔味のある歌などを集め、これらを分類し構成されています。

多くを占めたのが日本の四季の自然について、恋愛についての歌でした。

収録された中には長歌5首、旋頭歌4首が含まれましたが、残りは全て短歌が収められています。

 

仮名序の作者、紀貫之

「古今和歌集」の選者、紀友則、紀貫之、凡河内躬恒、壬生忠岑のうち、最も有名なのは紀貫之ではないでしょうか。

紀貫之は平安時代前記に活躍していた歌人で三十六歌仙にも選ばれ、優れた腕前を持つ歌人です。

「古今和歌集」では平仮名による仮名序を執筆し、日本で初めて平仮名で和歌についての歌論を残します。

「古今和歌集」には自身の和歌を102首収め、また「古今和歌集」以下の勅撰和歌集には、435首の和歌作品が収録され、歌人の中でも最高権威者であったとされています。

その後、旅中の体験を平仮名で執筆した「土佐日記」は日本の文学史上初めての日記文学とされ、「土佐日記」以降も仮名日記文学や随筆を残し日本の文学に大きな影響を与えた人物の1人となりました。

紀貫之の書いた仮名序

「古今和歌集」の首巻には紀貫之が平仮名で書いた仮名序、巻尾には紀淑望が漢字で書いた真名序の2つの序文がありますが、どちらも内容は同じものが書かれていました。

 

序文の内容

序文は冒頭「やまとうたは人の心を種としてよろづの言の葉とぞなれりける」から始まり、和歌の本質の解説、和歌の起源、そして6分類された和歌を分類ごとに解説し、技法、六歌仙の評価、編纂の経緯について記述されています。

この内容を漢字と平仮名に分け序文として残しました。

漢字と平仮名の同じ内容の序文が2つ書かれた理由はあきらかにはされていませんが、漢字を使い漢詩を楽しんでいた時代から、平仮名を使い和歌を楽しむ時代への移り変わりを表すためとして漢字と平仮名の序文が残されたと推測されています。

 

序文の現代語訳

「古今和歌集」序文、紀貫之が執筆した仮序文の冒頭の一部を現代語訳していきたいと思います。

原文

やまとうたは、人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける。世の中にある人、ことわざ繁きものなれば、心に思ふことを、見るもの聞くものにつけて、言ひ出せるなり。

花に鳴く鶯、水に住む蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける。

力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男女の中をも和らげ、猛き武士の心をも慰むるは歌なり。

この冒頭を現代語訳すると、

現代文

和歌は本来、人の心をもととして作られ、それが様々な言葉となった。この世の中に生きていると様々な事が起こるので、その出来事に対して心に思うことを見るもの聞くものに託し、歌として言い表す。

春になく鶯や水に住む蛙の鳴き声を聞くと、この世に生きているもの全て、歌を詠むのではないか。

力を入れず、天や地を動かし、目に見えない死者にも感動させ、男女の仲を和ませ、勇猛な武士の心を和ませるのも歌である。

といった内容で、紀貫之による和歌を論じた歌論が記述されました。

この仮序文に書かれた歌論は平仮名で書かれた日本最古の文学論であり、歌学、歌論史の中でも重要な位置を占めています。

 

さいごに

「古今和歌集」の序論には、日本文化における和歌のあり方、和歌の起源、和歌の歴史、また和歌によって人々の心は癒やされるといった歌論が記述されました。

序論冒頭部分を現代語訳すると、平安時代に生きた人達がいかに和歌を楽しみ、大切にしてきたのかが分かります。

これを機に「古今和歌集」からお気に入りの和歌を見つけてみるのもいいかもしれません。