幾島の生涯とは?篤姫との関係を解説!西郷どんでは南野陽子が幾島役?

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現在放映中の大河ドラマ「西郷どん」で注目を浴びはじめている女性が篤姫の他に一人います。それが、幾島です。

篤姫の教育係としての任を果たし、江戸無血開城の際には徳川家や江戸を守るために、篤姫とともに活躍しました。

そんな幾島の生涯についてや、「西郷どん」で幾島役を務める南野陽子さんについても解説していこうと思います。

幾島の生い立ち

文化5年6月18日(1808年7月11日)、幾島は薩摩藩士で御側用人を務めていた朝倉景矩の娘として生まれました。

父・朝倉景矩の御側用人という職は藩の衣食住・家内労働を管理する役職だったため、幾島は礼儀作法や教養に富んだ環境で育ったと考えられます。

 

郁姫(いくひめ)に仕える

幾島が表舞台にで始めたのは、薩摩藩第9代藩主で篤姫の祖父でもある島津斉宣(しまづなりのぶ)の娘・郁姫(いくひめ)に仕え始めた頃です。

島津斉宣は娘の郁姫を公家の近衛忠煕(このえただひろ)に嫁がせましたが、その時に、幾島が郁姫付きの高級女官として近衛家に派遣されたのです。ちなみに、この頃、幾島は自分のことを藤田と名乗っていました。

近衛家は公家の五摂家の一つであるため、非常に格式が高く、その家に女官として働くことで、幾島は自らの女官としての力を大いに伸ばしたことでしょう。

しかし、自らが仕えた郁姫は1850年に43歳で亡くなってしまい、幾島は出家して得浄院と号しています。

 

幾島が篤姫の教育係に

時代が変わり、島津斉彬が薩摩藩の第11代藩主となると、第13代将軍・徳川家定の正室として篤姫を嫁がせることになります。

そして、その教育係として篤姫に仕えたのが、幾島です。それまで出家したことにより得浄院と名乗っていましたが、篤姫の女官になるタイミングで幾島という名に変えたようです。

幾島が篤姫の教育係としていつ頃仕えたのかは明確に分かっていませんが、篤姫が正式に徳川家定の正室へ嫁ぐ前には、既に篤姫に仕えていたのは確実です。

大奥における幾島

連絡役として動く

大奥へ入ってから、幾島は篤姫と共に将軍嫡子問題に取り組みます。当時は将軍の徳川家定が病弱だったため、次の将軍を誰にするかで、一橋慶喜派と徳川家茂派で分かれていました。

薩摩藩主・島津斉彬は一橋慶喜を次の将軍にしたかったため、篤姫を通して徳川家定に働きかけをしていました。そのとき、大奥にいた幾島は薩摩藩の西郷隆盛と密接にやり取りをし、連絡調整役として篤姫や薩摩藩に貢献しています。

結果として、大老・井伊直弼の意向により、一橋慶喜ではなく徳川家茂が第14代将軍につくことになりました。

 

篤姫と和宮の険悪な関係に苦労する

新しく将軍となった徳川家茂の正室として、孝明天皇の妹である和宮(かずのみや)が大奥へやってきます。

後に大の仲良しとなる篤姫と和宮ですが、最初は非常に険悪な関係でした。それに気を揉んだためか、幾島は体調を崩してしまい、一度大奥を離れることになってしまいます。

 

江戸無血開城に関わる

新政府軍(官軍)と旧幕府軍による戊辰戦争が勃発すると、旧幕府軍は敗走。官軍は徳川家を攻撃するために、江戸へ向かいます。

このままでは江戸が火の海になってしまうということで、幕臣であった勝海舟は当時の第15代将軍・徳川慶喜の意向の元、西郷隆盛と交渉して江戸無血開城を成し遂げます。これにより、江戸百万人の血を流さずに旧幕府軍は降伏することになりました。

この時、篤姫は徳川家の血を存続させるため、官軍に対して徳川慶喜の助命を嘆願する内容の手紙を送ります。その篤姫の手紙を実際に送り届けたのが、幾島で、彼女は実際に官軍の者と交渉したそうです。

相当な胆力がないと出来ないことだと容易に想像できますが、さすが、格式高い家で鍛えられてきた幾島だと言えるでしょう。

この篤姫と幾島の交渉が江戸無血開城に直接繋がったという情報はありませんが、少なからず影響を与えたのではないかと考えられます。

 

明治維新後に亡くなる

明治維新が成し遂げられてから2年後の1870年4月26日、幾島は東京で亡くなり、島津家菩提寺である大圓寺に葬られました。

 

「西郷どん」の幾島役は南野陽子さん?

女官として陰ながら篤姫を支え、重要な役目を果たしてきた幾島ですが、大河ドラマ「西郷どん」では、南野陽子さんが幾島役を務めています。

南野陽子さんは1967年6月23日生まれ。日本の女優・歌手として、80年代最も活躍したアイドル四天王のうちの一人として数えられています。

過去に大河ドラマ「武田信玄」に出演していますが、今回の「西郷どん」出演により、実に30年ぶりとなる大河ドラマへの出演となりました。

「西郷どん」でまだまだ活躍が期待される幾島ですが、南部陽子さんの演技にも目が離せませんね。